古陶と先達への限りない崇敬を糧に、名匠への梯を一歩ずつ上る。進境著しい美濃桃山鬼が「志野」に激しい陶志を燃やす。艱難辛苦を乗り越え、焼き物の新たな歴史をいま刻まん。
「織部」から下って「美濃御深井」へ、そしてまた遡って「志野」へ。「美濃桃山」への病膏肓第三章。文字どおり熱量の高い厄介な焼き物だ。苦心惨憺、試行錯誤を繰り返し、少しだけ古に迫れるようになったかも。七転八倒の挑戦をどうかお楽しみいただきたい。(安洞雅彦)