信楽を拠点に作陶に励む高橋燎さんの、当店では初めてとなる個展を開催いたします。 京都・龍谷大学の陶芸部で土に触れたことをきっかけに、篠原希氏の作品に強く惹かれ、陶芸家の道を志した高橋さん。2018年に作家として活動を開始し、2022年には信楽へ移住。穴窯や登り窯の焚き手として伝統的な薪窯焼成の基礎を学びながら、滋賀県立陶芸の森にある薪窯で作品づくりを重ねてきました。 2024年には、自ら設計・築窯した薪窯「トレインキルン」での制作を開始。トレインキルンとは、アメリカで生まれた勾配のない薪窯で、燃焼室(ファイヤーボックス)を独立させた構造が特徴です。穴窯や登り窯に比べて、意図した窯変をよりコントロールしやすい点に魅力があります。 展覧会タイトルの「integration(インテグレーション/統合)」は、作陶という行為が、作家自身の意図と、土や炎といった自然の力が交わることで成り立つ――という高橋さんの創作に向き合う姿勢を表しています。 作為と偶然が融け合うその作品世界を、ぜひご高覧ください。