半泥子廣永窯について
川喜田半泥子は、伊勢商人屈指の豪商川喜田久太夫の十六代当主であり、木綿問屋の店主、百五銀行頭取のほか、数々の企業の要職を務めました。
多忙な生活の中で、書画、茶の湯、俳句、写真、建築など多彩な趣味を持ち、型にとらわれない自由な姿勢で風雅に遊んだといわれています。
なかでも五十歳を過ぎてから本格的に始めた陶芸においては破格で、「東の魯山人、西の半泥子」また「昭和の光悦」とも称される半泥子の芸術は、多くの人を魅了し、近代陶芸に残した足跡は趣味の域を超え注目されました
昭和三八年に川喜田半泥子が亡くなった後は、開窯当初より半泥子の作陶を最も身近で見てきた坪島土平が引き継ぎ、その作品も多くの陶芸愛好家の心をつかみました。さらに坪島土平から藤村州二へ――。
受け継がれている半泥子の精神を、どうぞご高覧ください。
ご挨拶
この度は株式会社織部様のご好意により多治見での初個展の開催と相成りました。
廣永窯のめざす一つである桃山茶陶の本場であるこの地での開催はうれしくもあり身がひきしまる思いでもあります。
先師の方々から受け継ぐ作陶精神を多種多様な作品から感じ取って頂ければ幸いです。
ご高覧賜りますようお願い申し上げます。
藤村州二
同時開催
半泥子廣永窯一門展
下田正人/福森資/阪口久司/山崎萌