多治見市陶磁器意匠研究所を共通に持つ陶芸家、永草陽平、西野希、加藤好康の作品が融合する展覧会。永草陽平さんは美濃陶芸展や日本伝統工芸展での評価が高く、流彩磁と名づけられたうつわは、濃淡のコントラストで魅せ、淡彩磁の器は淡く醸し出す釉薬が優しさを表現します。西野希さんは土の柔らかな質感と滑らかな色彩を大切にし、作品に豊かな表現力と深みを与えています。代表的作品の象嵌の嵌めこみ模様は「嵌花」(かんか: 花=模様の意) とも呼ばれ、可愛らしさだけではなく、儚さと愛おしさを感じさせます。加藤好康さんは透かし彫りを駆使し、物体の中を視覚が通り抜ける感覚を土で表現することを追い求めています。透かし彫りを昇華させた作品は技術の精緻さが際立ちます。彼らの共通の学び舎である多治見市陶磁器意匠研究所出身という背景から生まれる、繊細かつ深く魅力ある作品の数々を是非ご高覧下さい。
【プロフィール】
◆永草陽平
1986 愛知県春日井市生まれ
2013 多治見市陶磁器意匠研究所(53期) 修了
2014 多治見市陶磁器意匠研究所セラミックス・ラボ 修了
美濃陶芸展 審査員特別賞
日本伝統工芸展 入選
めし碗グランプリ展 審査員特別賞
2015 美濃陶芸展 奨励賞
◆西野 希
2013年 東京造形大学 卒業
2015年 多治見市陶磁器意匠研究所(56期) 修了
現在、岐阜県美濃焼産地にて制作
◆加藤 好康
1985 愛知県出身
2008 倉敷芸術科学大学 工芸デザイン科 卒業
2014 多治見市陶磁器意匠研究所 (55期) 修了
2018 愛知県西尾市に工房を構える
<公募展>
2014 高岡クラフト展
伊丹国際クラフト展 酒器展 (’16 ’18 ’22)
2018 テーブルウェアフェスティバル
2019 テーブルウェアフェスティバル 佳作賞
2022 瀬戸・藤四郎トリエンナーレ