秋田県角館で白岩焼を継ぐ和兵衛窯・渡邊葵さんの2年ぶりの個展です。白岩焼は、江戸時代に開窯し一大窯業地となりましたが、明治時代に廃窯。その約70年後、渡邊さんのご両親が復興し和兵衛窯を開窯。現在では白岩焼唯一の窯元です。白岩焼の特徴のひとつである海鼠釉は、浜田庄司氏にも「各地で類似の釉薬が見られるが、白岩焼の海鼠釉がいちばん美しい」と評され、その深い青から白へのグラデーションと赤土のコントラストは、雪国・秋田の風景を思わせます。白岩の地の素材を用い、厳しい冬の環境と向き合いながら、現代の暮らしに寄り添う器を生み出す渡邊葵さん。「秋田のやきもの」の今をぜひご高覧ください。
【陶歴】
1980 秋田県角館町白岩に生まれる
2005 岩手大学大学院教育学研究科(美術工芸)修了後、父・敏明に師事
2009 京都府立陶工高等技術専門校研究科修了後、同校講師
2011 和兵衛窯にて制作活動開始